集英社の別の書籍を購入した際、挟まっていた広告ペーパーに載っていた本。Kindleで購入して読んだ。
読み始めはよかったのだが、だんだん不穏なにおいがしてくる。
襖が開いていき、真弓が静かに和室に入ってきた。人との交わりを豊かにするチェック柄の寝間着姿だ。
ー『るん(笑)(集英社文庫)』酉島伝法著
人との交わりを豊かにするチェック柄……?
こういう小さい気持ち悪さが澱のように溜まって、じき「ああ、そういうことね」とわかる。気持ちよかった。いや、気持ちは悪いけど。
科学と迷信が逆転した世界が描かれているのだけど、科学的なものに囲まれた暮らしの中で、迷信が猛烈に支持されている描写が良かった。